作曲者による解説

この曲のオーダーは「ラップ」「BPM150」「ありがちでない曲」だった。神前はラップと言えば横ノリという先入観があるのだが、150という横ノリには速すぎるテンポ(既にトランス等の域のBPMである)のため、アレンジの方向性を模索した結果がファンク(ミクスチャー)であり、四つ打ちと横ノリのギリギリの融合を狙った。冒頭からラリー・グラハム的なスラップベースが延々とグルーブを紡ぎ、随所に挿入されるカットアップが現代的なノリとスピード感を演出する。F7のワンコードファンクかと思いきや、間奏では突如モード的なサックスソロが入り、サビでは一転してF→B♭→D♭→E♭→Fというブリティッシュロック的コード進行にキャッチーかつ適度に捻くれたメロディが展開する。この無秩序であまり他に例を見ない混沌としたパワー感がこの曲の音楽的な特徴だと思っている。なお演奏に関しては、アルトサックス、右chのワウギター、サビのディストーションギターが生、それ以外のパートが打ち込みである。打ち込みのシンセ音もできるだけ有機的な質感が出るように心がけた。

俺としてはサックスと「眼鏡はどこですか?」の絡みがありがちでないと思った。


「もってけ!セーラーふく」 神前暁の解説